子供の鑑賞に学ぶ親の鑑賞会」という取り組みを府中市美術館で行ってきました。
要は、PTAの家庭教育学級の一環としての取り組みです。

内容は、学区に美術館がありながら、多くの保護者は一度も美術館に行ったことがない。それでは、子供達がこんな風に作品を見て、楽しんでいるのを親にも体験してもらおう。そして「お母さん、いっしょに美術館へ行こうよ」と子供に言われたとき、「じゃあ、いっしょに行きましよう」と親子で楽しめたらいいなという思いから企画です。

参加は、PTAの係の人が決めた定員の40名。(満席でした)

はじめ、講座室に並べた子供の作品(なりきりアーティストで作家の作品から、感じたことなどをかっかけにして、自分の表現したいことを表現した作品)を見ながら、8人ぐらいのゆるやかなグループになって、鑑賞。


「これは、きっとこの作品からスタートした作品じゃ、ないかな。だって、ここが似ているもの」「この作品、きれい」「これは、きっと、季節にこだわってつくったんだね」「この感じ、いいじゃん」といろいろトーク。

そんなトークをして、盛り上がった後、企画展示作品「バルビゾン展」の鑑賞。
校長先生やPTA会長さん、担当係の人が始は、ファシリテーターとなってそれぞれの場所でスタート。

子供の作品でのトークが功を奏したのか、会場では自分の感じたことを話したり、いっしょのお母さんが気が付いたことをここも同じだよね。とか私は、ここの感じが好き。時代と共に明るくなってきているね。空の色からすると、多分、夕方かな?広さを感じるね。etc。
会話が弾んでいました。

私は、子供達はこんな風に楽しんでいますよということは、それぞれのグループを巡りながら話をしました。

再度、講座室に戻ってそこでも、待っている間に子供の作品でまたトーク。
全体で一時間半ぐらいの取り組みでした。
はじめ集まったときに、「運動会や学芸会は盛り上がるけれど、作品展は、それに比べると少し盛り上がりにかけるよね」と話していたお母さん、終わってみれば、目をキラキラさせて、「楽しかった。人と違ってもいいってこんなにいいことなんですね」と一言。
考えてみれば、学校のシステムって、みんなと同じことがあまりにも求められ、いっしょに盛り上がるということが多いのだけれど、その中にあって人と違っていて、それもいいことと積極的に言えるのはひょっとして図工・美術だけ?象徴的なやりとりでした。
多分、このお母さん、子供が家にもって帰ってきた作品も今までとは違う目で見てくれそうです。

派手さは、ないけれど、いい取り組みになりました。
美術館サイドでも、そんな取り組みが増えるといいなと思いました。

(山崎感想)
「親の鑑賞会」のお話、「やった!」と思って読ませていただきました。特に以下のお話はうれしいですね。

「楽しかった。人と違ってもいいってこんなにいいことなんですね」と一言。
考えてみれば、学校のシステムって、みんなと同じことがあまりにも求められ、いっしょに盛り上がるということが多いのだけれど、その中にあって人と違っていて、それもいいことと積極的に言えるのはひょっとして図工・美術だけ?象徴的なやりとりでした。
多分、このお母さん、子供が家にもって帰ってきた作品も今までとは違う目で見てくれそうです。

私も今年になってから 親とのギャラリートークをやりましたが、
親の 子どもの見方も、美術の見方も変わることを実感しています。

さて、親とのトークは「図工美術教育の日」に ふさわしいプログラムになるのではないかと思います。ぜひ、広めたい。

絵を通した子ども理解(学びも心も両面で)というわけですから。

東京と北海道で同じようなことをし、共通する成果を生み出せると知り、心強いです。
最近、トークに参加している人が子どもの絵を見ていて表情の変わる瞬間があるんですけど、それを見るのが好きになりました。目が変わる瞬間があるんです。