東京の鈴木斉さんの報告です。

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旅するムサビ羽村栄小学校編の報告です。
学生のブログの文章も交えた報告です。

「図工・美術教育の日」の二日前の取り組みですが、先取り感覚で行いました。

一日目29日は、栄小学校の展覧会場の二階にムサビギャラリーを作り、
児童の作品と学生の作品をもとに鑑賞授業が行われました。

まずクラスを4つの班に分け、ギャラリートークを行いました。
授業の半分(15分)を使って、小学生が授業で作った今までの作品を小学生の発表によって鑑賞し、
もう残りの半分(15分)で大学生の作品のギャラリートークをしました。


<子供たちの作品発表>

今回、いつもと決定的に違ったのは、学生だけでなく、子どもたちも〔自分たちの作品をみてもらって自分たちでしゃべる〕ということ。

児童と学生とが同じ立場だったことがすごく面白かったです。
客観的に見ていて、時にはどっちがファシリテーターなんだかよくわからなくなる瞬間もあったりして。
子供たちが全員、自分の作品について他の人たちに向かって発表するという機会は、
言語活動の観点からも、有意義だったように思います。
10人ずつのグループだったからで来た事。

自分で発表したあとは、発言するという事へのプレッシャーが消えるものだから、
その後のギャラリートークに対して、とても積極的な姿勢が伺えました。
これは、重要な発見でした。

二日目の30日(土)午後1時からは、保護者対象に大学生によるギャラリートークも行われました。
台風の雨の中を子供たちの作品展にやってきた家族連れが、体育館二階のムサビギャラリーにも足を運んでくれました。
学生に混じって、私も学生の作品でギャラリートークに参加。
子供の感想と親の感想が入り交じって、楽しい時間になりました。

<保護者とのギャラリートーク>

トークを通じて、気構えずに、作品をもっと気楽に楽しんで見ていいんだ、
という雰囲気を保護者にも感じ取ってもらえたようでした。
「わたしにはわからない」と尻込みしていた保護者も段々と言葉が出てきて・・。
前日授業でギャラリートークをした4年生の子供たちが、何人も家族を得意げに連れてきたり。

「親子一緒のギャラリートークは、子供理解に確実に貢献する」と確信しました。
図工・美術教育の面白さを、ちょっとは感じてもらえたかな。

学校展覧会で、「子供たちの作品でギャラリートーク」を子供たちがやるのも、
学生やボランティアが援助するのも、一つの手だなと思います。

<いつもの、熱心な反省会>

40人クラスを美術教師一人で鑑賞させるのには限界があります。
学生の手を借りて、10人ずつのこじんまりとした鑑賞ができた事は、
子供たちにとっても幸せな事だと思いました。

とにもかくにも、いろんな新しい収穫があった「旅するムサビ」でした。
学生さんたちご苦労様。

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